愛してあげるから
「……良いんですか?」
「ええ、構わないわ。
美静ちゃんも喜ぶと思うの」
「ね?」と聞いてくる玲愛さん。
あたしはゆっくり頷いた。
「でも無理にとは言わないわ。
條崎くんのお家でも、ご飯作るでしょ?」
「あ、気にしないでください」
即答する零。
…零も、家庭環境悪いのかな……?
「ご馳走になっても良いですか?」
「ええ、大歓迎よ」
「ありがとうございます。
俺、今日晩ご飯いらないって連絡しますから」
「わかったわ。
じゃあわたしは先に帰っているわね。
美静ちゃん、條崎くんをお家まで案内してあげて?」
「わかりました」
零と一緒に玲愛さんの手料理を食べる…。
なんて幸せなことなのだろうか?
玲愛さんは根っからのお嬢様育ちだけど。
料理の腕は抜群だ。
毎回、豪華すぎるご飯を作ってくれる。
あたしはスマホを耳に当てる零を見た。