愛してあげるから
「いただきます」
目の前に並んだ豪華な食事たちを、零は食べ始めた。
「いただきます」
あたしは慣れた光景だけれども。
零にとっては、珍しいのだろうか?
普通の家庭では、出ないのだろうか?
「どうぞ、沢山召し上がってね」
「ありがとうございます、玲愛さん」
零と玲愛さんは、もう仲良くなっている。
玲愛さん、イケメン好きなのかな?
まぁ玲愛さん美人だから、イケメンがお似合いだよね。
そう思うと、あたしって釣り合っているのかな?
あたし、玲愛さんの娘じゃないから。
玲愛さんには勿論似ていない。
お父さんもお母さんも……美男美女ではなかったから。
あたしは平々凡々な、どこにでもいる女子だ。
その点零は六冠王の名を持つだけあって、かなりのイケメン。
あたしなんかと釣り合うのだろうか?
もっと可愛い子もいるのに。
何で零は、あたしと付き合っているのだろうか……?