愛してあげるから
「ご馳走様でした!
とても美味しかったです」
「良かったわ、お口に合って」
にこり、と微笑む零と玲愛さん。
あたしはというと、色々考え事していたから、あんまり味がわからぬまま終わってしまった。
「零くん、お家まで送るわ」
「え?」
「もう遅いもの。
いくら男の子でも、襲われたら大変でしょ?」
「…………」
零は何故か黙り込んでしまった。
…そうだ、零って家に帰りたくないんだ。
何でか、理由は知らないけど。
きっと何か、複雑な理由でもあるのだろう。
「零くん……?」
「…………」
「零?」
「………あ、何でしたっけ?」
キョトンと零は首を傾げる。
どうしたんだろう……?