愛してあげるから






「先生、星空観賞って…?」

「あ、逢坂には言っていなかったな。
うちの学校の近くには、天文台があるんだ。
そこに近々行くことになったんだ」

「何をするんですか?」

「星空を生で見るんだよ。
天文台の近くには星空を見るために邪魔になる建物がないからな。
星空を見るには絶好の場所なんだ。
そこに夜集まって、裸眼で観賞するんだ」




裸眼で…望遠鏡も使わずに…星空を見る!?




「いつですか?」

「明後日(あさって)だ」




明後日…!

あたしは思わず口元を抑えた。




実はあたし、星空が大好きなんだ!

小さい頃からプラネタリウムにも通っていたし。

ただ星は建物からの明かりで見えなくなってしまうから、望遠鏡なしで見るのは不可能で。

それが見られるの!?

あたしは興奮した。





「待ち合わせ場所や時間などは、自由に決めて良いそうだ。
クラス委員、任せたぞ~」




担任は出て行った。






…え?

投げやりですか!?

コイツと2人きりで進行しろと!?

……何考えてんの、あの担任。




担任はあたしの折角の興奮を、一気に冷めさせた。








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