愛してあげるから







すると玲愛さんが、とんでもないことを言いだした。




「零くん。
もしご迷惑じゃなかったら、今晩家に泊まる?」

「「えっ!?」」




思わず零とハモってしまった。




「も、勿論美静ちゃんと部屋は別よ?」




顔を赤らめる玲愛さん。

当たり前じゃないですかっ!





「……ご迷惑じゃないんですか?」

「ええ。
部屋も余っているし、美静ちゃんも喜ぶと思うの」





あたし?

…まぁ、零と一緒にいたいとは思うかな。

ただ、零には零の事情ってものがあるから。

強制は……しないけど………。





「ミスズ?」




名前を呼ばれ、振り向く。

シャンデリアに照らし出された零の顔は、何故かとても哀しげに見えた。








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