愛してあげるから
零はふっと笑い、玲愛さんを見た。
「じゃあ、今晩だけ…泊まっても良いですか」
「良いわよ、遠慮しないで!
美静ちゃん、お隣の部屋に案内してあげて?」
「わかりました。
零、行こう?」
あたしの隣の部屋は、お客様用の部屋。
逢坂家はかなり有名で、お金持ちのオジサンオバサンがたまに来る。
その時用に用意された部屋だ。
「あたしの部屋はここ。
零はここ使って良いよ」
「ミスズの部屋、見ても良いか?」
「……良いよ、汚いけど入って」
あたしはこげ茶色の両扉を開けた。
「……でかいな」
「そう?
でも、確かに大きいかな。
前の家と比べたら大きいから、最初の方は慣れなかったな」
零は自分の部屋かのようにズンズン入り、部屋の中にあるソファーに腰かけた。
傍から見れば図々しいんだろうけど、零だから良い。