愛してあげるから







「何かお茶でも淹れてくるね」

「あ、ありがとう」





部屋を出てから、ふと気が付く。






あたしさっきから、何かとんでもないことばかり言っている気がする。




離れないで、とか。

傍にいて、とか。

夢なら覚めないでほしい、とか。

強制はしないけど、もっと一緒にいたい、とか!





自分でも驚くほど、恥ずかしいことを口走っていたことに、今更気が付く。

でもこれ全部、零本人には言っていないはずだから…きっと!

これからは、気を付けないと。




しかし、自分でも驚いたなぁ。

零なんて絶対好きにならないなんて言っていたのに。

今では零にはまっちゃっているじゃない。

あたしの予想通り、零にはまったら絶対抜け出せなくなる。

本当にその通りだった。





零の笑顔に。

零のからかいに。

零の体温に。

零のキスに。



あたしはどんどん、夢中になっていっている。







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