愛してあげるから








「零くんからのプレゼントかしら?」



楽しそうな笑みを浮かべる玲愛さん。




「お会計は良いって言われたので…。
プレゼント、と言うのは、わかりません」




素直に言った。

あたしは間違いなくお会計をしていないし、零もお会計をしている素振りはなかった。




「零くんはジョウの社長さんの息子さんなんでしょう?
ならお会計のことは気にしないで良いんじゃないかしら?」




玲愛さん…そんな軽々と。





「もし請求書が来たら声かけて?
わたしが払ってあげるから」

「え?
良いですよ、あたしが払います」

「良いのよ、気にしないで。
それよりも美静ちゃん、ワンピース姿似合うわね」

「零が、選んでくれたんです……」




顔が赤くなるのが、自分でもわかる。




「美静ちゃん華奢だから、似合うのね。
今度わたしも、ワンピースを買ってくるわね?
でも、美静ちゃんがどういうのが良いかわからないわね。

美静ちゃん、今度一緒にお買い物行く?」




玲愛さん……。








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