愛してあげるから
「行っても良いんですか……?」
「ええ。
美静ちゃんともっとお話したいわ」
あたしは思わず、玲愛さんに抱きついた。
玲愛さんは驚いていたけど、抱きしめ返してくれた。
もっと、仲良くなりたい。
お母さんって、呼べるようになりたい。
「へぇ、良かったじゃん」
「零のお蔭だよ!」
「は?」
「何で俺?」と首を傾げる零。
「零がこのワンピースを買ってくれたからだよ。
本当にありがとう、零!」
「……俺は礼を言われる筋合いはねーよ」
零はあたしを抱きしめた。
玲愛さんとは違う優しさがあった。
「ミスズが玲愛さんと仲良くなりたいって思ったからだろ。
ワンピースは、あくまできっかけにすぎねーよ。
ミスズ自身で変えたんだよ」