愛してあげるから
杉本くんは溜息をつき、机の上に座った。
「マジかよ…。
まさか俺が閉じ込められることになるとはな……」
杉本くんはあたしを睨んだ。
「お前のせいだぞっ!」
「はぁ?」
「逢坂が零と付き合う真似するから。
お前を閉じ込めようと呼びだしたのに。
俺まで閉じ込められる展開になるとは……」
お前を閉じ込めようと呼びだしたぁ!?
「杉本くん!
何酷いこと考えているのよ!!」
「零とお前が別れるためだよ。
お前を閉じ込めて、零と別れるのなら出してやるって言えば、お前は零と別れるかと思ったんだよ」
「そんなので別れるわけないしっ!!」
あたしは叫んだ。
普段大人しい地味なあたしが叫んだことで、杉本くんは驚いていた。
「あたしは零が好きなの!
そんなことされても、あたしは零となんて別れないからッ!!」
杉本くんは、再びあたしを睨んだ。
怖いとは思うけど、気にしないことにした。