新婚の定義──嘘つきな君と僕──
灰皿の上には、何本もの吸い殻が積み上げられていた。

遅くなると短いメールをよこしただけで遅くなる理由も知らせず、レナはまだ帰ってこない。

ユウはイライラしながらタバコに火をつけ、灰皿の上で揉み消しては、また新しいタバコに火をつける。

(レナ、一体誰といるんだ?!)



夜中の12時を過ぎた頃、チャイムが鳴った。

こんな時間に…とユウはインターホンのドアモニターを見ると、慌てて玄関のドアを開けた。

タクミに抱えられるようにして帰宅したレナを見て、ユウは愕然とする。

「レナ!!」

タクミの手から奪うようにレナを抱き寄せ、ユウはタクミを睨み付ける。

「ごめん、飲ませ過ぎちゃった。」

「なんでオマエが…。」

「ん?一緒に飲んでたからね。」

「だからなんでオマエと…!!」

思わず声を荒げるユウに、タクミは人差し指を口元に当てて見せる。

「夜中だよ。そんな大声、近所迷惑。」

ユウはレナを抱き上げると、タクミに中に入るように促し、レナをベッドに寝かせた。

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