新婚の定義──嘘つきな君と僕──
メイクの後は、スタイリストに衣装のドレスを着せられる。

いつもは着たことのない、ざっくりと胸元と背中の開いた、体のラインがハッキリと出るような、丈の短い黒のドレスだった。

(えぇっ?!リサのデザインとは思えないくらい大胆なんだけど…!!こんなの見たこともない!!)

あまりの恥ずかしさに真っ赤になっていると、小さい頃からいつも世話になっている馴染みのスタイリストの静江は、おかしそうに笑った。

「アリシア、顔真っ赤!!」

「だって…こんな服、着たことないから恥ずかしくて…。私、胸もそんなに大きくないし、全然色気ないから…似合わないでしょ?」

「そう?アリシアが思ってるよりずっと、アリシアは色気あると思うよ。」

「えぇっ?!」

思わぬ言葉に驚くレナを見て、静江はまた笑った。

「色気なんて、内からにじみ出るもんでしょ。ただ胸が大きいだけとか、そんなのは色気って言わないの。男からはエロい目で見られるけどね。」

(エロい目って…!!)

静江のストレートな言葉に、レナは顔を真っ赤にした。
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