新婚の定義──嘘つきな君と僕──
日が暮れて開演時間が近付いた頃、ライブ会場ではたくさんのファンが、`ALISON´の登場を心待ちにしている。

ステージ裏ではたくさんのスタッフが忙しそうに行き来し、メンバーたちも気合いのこもった様子で開演時間を待っていた。

「よーし、今日も気合い入れて行くぞ!!」

「よっしゃあ!!」

円陣を組んで手を重ね合うみんなの姿を、レナはカメラに収めた。

「あーちゃんも、こっちおいでよ。」

「え?!」

タクミに手を引かれ、レナも円陣に加わる。

「今日もカッコよく撮ってね!!」

「片桐さん、よろしくお願いします!!」

「最高の写真をよろしく!!」

メンバーたちに声を掛けられ、レナは嬉しそうに微笑んだ。

「ハイ、任せて下さい!皆さん頑張って下さいね!」

「うおー、更にヤル気出た!!」

「ガンガン行くぜ!!」

みんなの笑顔に、レナもつられて笑顔になる。

メンバーがそれぞれに動き始めると、レナはユウを見つめた。

ユウもレナの方を見る。

「頑張ってね。」

レナがユウに微笑むと、ユウはレナの頭を優しくポンポンと撫でた。

「行ってくる。」

(どんなに眩しい場所にいても、ユウは私の大好きなユウだ…。)

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