新婚の定義──嘘つきな君と僕──
ユウとレナは顔を見合わせ、クスクス笑う。

「そろそろオレたちも行く?」

「そうだね。」

ユウとレナは足湯で温まった足をタオルで拭きながら楽しそうに話す。

「オバチャンたち、すごいパワフル。」

「でも、面白かったね。」

「関西弁?」

「うん。それにオバチャンたち優しかった。」

「オレには厳しくなかった?」

「しょうがないんじゃない?」

「えー…。」

「新婚さんだって。」

「うん、言ってたな。」

「なんか、照れ臭いね。」

「そうだけど…。新婚夫婦、だしなぁ。」

ユウとレナは靴を履いて、手を繋ぎ、指を絡めて歩き出す。

「そろそろお昼だけど、お腹空いた?」

「もう少し?」

「じゃあ、探しながら腹減らそう。」


テーマパークを出ると、車で海沿いの道を走りながら昼食を取る場所を探した。

「海辺だけあって、海鮮丼とか寿司とか、多いな。レナは何がいい?」

「夜は旅館でまたしっかり和食だと思うから、お昼は軽めの物でいいかな…。ユウは?」

「うん、オレもそれでいい。」

ドライブがてら、白浜の市街地から離れた場所まで車を走らせた所で、海沿いにひっそりと建つレストランを見つけた。

「行ってみようか。」

「うん。」
< 17 / 269 >

この作品をシェア

pagetop