新婚の定義──嘘つきな君と僕──
翌日の夕方、レナはヒロに呼び出され、撮影スタジオにいた。
「この間の曲な、ネット配信先行になったんだ。CDよりその方が早く公開できるから。」
「そうなんですか?」
「それで、今日はPV撮ろうと思ってな。オレの馴染みのエンジニアに頼んであるんだ。」
ヒロはレナの顔を見て、嬉しそうに笑う。
「うまくいったんだな。」
何も話していないのに、顔を見ただけで状況を掴んでしまうヒロに、レナは苦笑する。
「ホントにダディにはかなわないですね。」
「ちゃんとわかってもらえたのか?」
「ハイ。私、初めて大声で泣いて、怒って、ユウを責めちゃいました。でも、ユウが、自分の前ではそうしていいんだって。もっとわがまま言って甘えて欲しいって…。」
「そうか…。アイツもやっと男になったな。」
ヒロは満足そうに笑う。
「ユウは、生まれた時から男ですよ…?」
レナは、ヒロの言葉の意味が理解できず、何度も首を傾げた。
「大事な嫁のすべてを受け入れられるようになって初めて、夫になれるってことだよ。」
「結婚したら夫になるんじゃないんですか?」
「そうだよ。新婚だからな。まだまだお互いに遠慮することもあると思うが、少しずつ歩み寄って、本物の夫婦になっていけばいいんだ。」
「新婚の定義ってなんでしょうね?」
ヒロは思いがけないレナの言葉に、おかしそうに笑う。
「そうだな…。相手の懐探ってるうちは、まだまだ新婚じゃないか?」
「何年経っても?」
「そうかもな。」
「この間の曲な、ネット配信先行になったんだ。CDよりその方が早く公開できるから。」
「そうなんですか?」
「それで、今日はPV撮ろうと思ってな。オレの馴染みのエンジニアに頼んであるんだ。」
ヒロはレナの顔を見て、嬉しそうに笑う。
「うまくいったんだな。」
何も話していないのに、顔を見ただけで状況を掴んでしまうヒロに、レナは苦笑する。
「ホントにダディにはかなわないですね。」
「ちゃんとわかってもらえたのか?」
「ハイ。私、初めて大声で泣いて、怒って、ユウを責めちゃいました。でも、ユウが、自分の前ではそうしていいんだって。もっとわがまま言って甘えて欲しいって…。」
「そうか…。アイツもやっと男になったな。」
ヒロは満足そうに笑う。
「ユウは、生まれた時から男ですよ…?」
レナは、ヒロの言葉の意味が理解できず、何度も首を傾げた。
「大事な嫁のすべてを受け入れられるようになって初めて、夫になれるってことだよ。」
「結婚したら夫になるんじゃないんですか?」
「そうだよ。新婚だからな。まだまだお互いに遠慮することもあると思うが、少しずつ歩み寄って、本物の夫婦になっていけばいいんだ。」
「新婚の定義ってなんでしょうね?」
ヒロは思いがけないレナの言葉に、おかしそうに笑う。
「そうだな…。相手の懐探ってるうちは、まだまだ新婚じゃないか?」
「何年経っても?」
「そうかもな。」