新婚の定義──嘘つきな君と僕──
数日後、ユウが帰宅した。

「お帰りなさい。」

玄関でレナが出迎えると、ユウは嬉しそうにレナを抱きしめる。

「ただいま、奥さん。」

「ちゃんといい子で待ってたよ?」

「うん。いい子にはご褒美あげないと。」

ユウはレナを抱き上げ、リビングに連れて行くと、膝の上に座らせ髪を撫でる。

「かわいいな、オレの奥さん。」

「ユウも、カッコ良かったよ?」

「過去形?」

「ん?今も。」

ユウはレナの唇に優しくキスをする。

「ユウ、疲れてるでしょ?」

「うん。だから、こうしてレナに癒してもらってる。」

もう一度キスをすると、ユウはレナの耳元で囁く。

「もっと癒してくれる?」

「…うん。」

「お風呂、一緒に入ろう。」

「えっ…。」

「この前みたいにしないから。」

「もう…。」

ユウは嬉しそうにレナの手を引いて脱衣所へ向かう。

「あの…バスタオルは…。」

「ダメです。」

「ええっ…。」

「オレたちは夫婦でしょ?」

「そうだけど…。」

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