新婚の定義──嘘つきな君と僕──
ユウとレナの休みが久し振りに重なり、二人はいつもよりゆっくり目覚め、ベッドの上でじゃれ合うように、甘く穏やかな時間を過ごした。

「腹減った。」

「うん、お腹空いたね。」

二人はベッドに横になったまま、指を絡めて見つめ合う。

「あっ、そうだ。久し振りに食べたいな。」

「ん、何?」

「ホットケーキ。」

「私も食べたい。昔、よく一緒に作ったね。」

レナの額に自分の額をくっ付けて、ユウは優しく笑う。

「久し振りに一緒に作ろっか。」

「うん!」

ユウは嬉しそうに笑うレナの唇にチュッと口付けて起き上がり、レナを抱き起こした。


着替えを済ませ顔を洗うと、二人でキッチンに立つ。

「ユウと一緒に料理するの久し振り。」

「うん。」

ユウはボウルに卵を割り入れ、泡立て器でかき混ぜる。

「ギター弾いてる姿もいいけど、キッチンに立つ姿も絵になりますね。」

レナはボウルに砂糖と牛乳を入れながら、おどけてそう言ってユウを見上げた。

「カッコいい?」

「うん、すごくカッコいい。」

「どっちが好き?」

「うーん…どっちも好き。」

「じゃあ、ハイ。」

ユウはレナの口元に頬を寄せる。

「ん、ユウ大好き。」

レナがユウの頬にキスをすると、ユウもレナの唇にキスをする。

「はぁ、至福の時だな。」

「ふふ。さあ、作っちゃお。」

「うん。」


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