新婚の定義──嘘つきな君と僕──
そしてアンコール前のMCで、レナはまたしてもタクミに捕まって、強引にステージに連れ出されてしまった。

「オレのかわいい奥さんでーす!」

「だから違うだろ!!」

レナの肩を抱き寄せるタクミの腕から、ユウはレナを奪い返す。

そしてレナの背中に手を添えて、マイクの前に立った。

「タクミのじゃなくて、オレの大事な奥さんです。いろいろ心配かけましたが、2月14日に無事に入籍しました。この先ずっと二人で頑張って行きますので、温かく見守って下さい。」

ユウが少し照れ臭そうに話すと、会場からはキャーッと言う黄色い声と、わーっと言う大歓声が起こった。

「あれっ?!今日のユウはいつもと違うね。」

タクミが拍子抜けしたようにユウを見る。

「いつもなら真っ赤になってオロオロしてるのになぁ。」

リュウもベースを手に、不思議そうにユウを見る。

「ユウに何が起こったんだ?」

トモがドラムセットの前で首を傾げている。

「ユウだよね?まさか替え玉ってことは…。」

キーボードの前のハヤテが呟くと、ユウがニヤリと笑った。

「いつまでも同じこと繰り返さないよ。オレだって少しは成長するし。このメンバーの中では最年少でも、唯一の既婚者だからな。」

得意気に話すユウを見て、リュウとトモが顔を見合わせる。

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