新婚の定義──嘘つきな君と僕──
先にバスルームを出たレナは、バスタオルで髪と体を拭くと、バスローブを羽織って脱衣所を出た。

(なんか…恥ずかしい…。)

レナはドキドキしながら赤くなった頬を両手で押さえ、ユウに言われた通り、ベッドに入ってユウを待った。


バスルームから出たユウは体を拭きながら、さっきの色っぽいレナを思い出して口元をゆるめた。

(あんな顔するんだもんな…。また我慢できなくなるとこだった…。オレ、よく耐えた…。)


バスローブを羽織ると、ユウは余裕のあるフリを装って、レナの待つベッドに腰掛け、わざとらしく言ってみる。

「さぁ、今日は疲れたし、もう寝るか。」

「えっ?!」

レナは驚いて思わず声をあげた。

(ユウ、さっき、続きはベッドでゆっくりって言ってたよね?)

目をパチパチさせているレナを見て、ユウはたまらず吹き出してしまう。

「嘘だよ。そんなわけないじゃん。」

「……ユウのバカ!意地悪!もう寝る!!」

レナはすねてユウに背中を向けた。

「ごめん、冗談だって。こっち向いて。」

「もう知らない!」

ユウはバスローブを脱いでベッドに入ると、レナを後ろから抱きしめた。
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