新婚の定義──嘘つきな君と僕──
「オレがこんなかわいいレナほっといて、おとなしく寝るわけないじゃん。せっかくレナからして欲しいって言ってくれたのに。」

「…言ってないもん。」

「言ってたよ、目で言ってた。」

「目では言わないよ。」

「じゃあ、心の声?」

「何それ…。」

ユウはレナを自分の方に向かせると、じっと見つめて甘く囁く。

「今日は寝かせてあげられないかも。覚悟はいい?オレのかわいい奥さん?」

「ホントに意地悪な旦那様…。」

「でも、オレのこと好きでしょ。」

「…わかってるくせに…。」

レナはユウの胸に顔をうずめ、ユウの肌にそっと口付けた。

「好きじゃなかったら、こんなことしないもん…。」

「オレももう、レナとしかしないよ。レナにしかこんな気持ちにならないから。」

「こんな気持ち?」

レナは顔を上げてユウを見つめる。

「レナ、愛してる。オレが欲しいのはレナだけだから。」

「うん…。私も、ユウ以外の人とは考えられない…。ユウ、愛してる…。」

そして二人はどちらからともなく唇を重ね、甘く囁きながら、時間を忘れて何度もお互いを求め合った。


夜明け前、東の空が白み始める頃。

身も心も幸せに満たされた二人は、愛しそうに抱き合って眠りについた。





< 198 / 269 >

この作品をシェア

pagetop