新婚の定義──嘘つきな君と僕──
その後、車で白浜の地ビールを買いに行った。

仕込みに白浜の名水を使ったと言うそのビールは、おしゃれな小瓶に詰められ、レトロ調のラベルが貼られていた。

ユウの事務所やバンドのメンバー、レナの写真事務所の人たちへのお土産と、家で自分たちが飲むために、味の違う二種類のビールを大量に注文して、宅配便で送ってもらうことにした。

「家で二人で飲もうね。」

「楽しみだな。」

そして二人は車に乗り、旅館へと戻った。



旅館に戻ってほどなくすると、昨日とはまた違ったメニューの豪華な夕食が用意された。

「今日の夕食も、すごい豪華。」

「昼飯、軽めにして正解だったな。さ、食べよっか。」

「うん。」

二人はビールで乾杯すると、たくさんの料理をゆっくりと味わう。

「クエ鍋、すごくおいしい!!」

「高級魚らしいぞ。」

「東京に戻ったらなかなか食べられないものばかりだね。」

「うん。しっかり食っとかないと。」

豪華な夕食でお腹いっぱいになった二人は、お腹が落ち着くまで、しばらく窓からの夜景を見ながら、のんびりと過ごした。
< 20 / 269 >

この作品をシェア

pagetop