新婚の定義──嘘つきな君と僕──
レナは顔を真っ赤にしてうつむいた。

(絶対着せられる…!!)

レナがオロオロしながら待っていると、ユウが会計を済ませて戻って来た。

「ん?どうしたレナ?」

「だって…ユウが勝手に、私にそれ着せる予定なんだもん。恥ずかしいよ…。」

「大丈夫、絶対似合う。レナは自分をわかってないな。」

「え?」

「いや、たまには一緒に洋服買いに出掛けるのもいいなぁって。レナが絶対選ばないような服だって、似合いそうな服はいっぱいあるし。」

「一緒に洋服買いに行くのはいいけど…あんまり露出の多い服はやめてね。」

「それは大丈夫。レナの体を他の男には見せたくないから。そういう服は家で二人だけの時に着てもらうことにする。」

「もう…!」

「さ、次はどこ行く?」

ユウは笑ってレナの手を取り、指を絡めた。

(ホントに気が付いたらいつもユウのペースなんだから…。)

昔はただ優しく守るようにレナのそばにいたユウが、今はレナを驚かせたり困らせたり、優しいキスでときめかせたり、甘い声で囁いて何も考えられなくなるくらい溺れさせ、翻弄する。

それに戸惑いながらも、レナはそんなユウに夢中になっていることが幸せだと思う。

(やっぱり私、ユウには弱いな…。ユウは私に甘くて、私はユウに弱くて…。一緒にいると似てくるってホントかも…。幸せだな。)

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