新婚の定義──嘘つきな君と僕──
翌朝、またしても豪華な朝食でお腹いっぱいになった二人は、チェックアウトを済ませてから旅館のお土産物屋さんへと向かった。

和歌山特産の梅やみかん、柚子などを使ったお土産物が、ところせましと並んでいる。

「梅そうめんだって。キレイな色。」

「梅の味、するのかな?」

「どうだろ?買ってみようかな。」

「本場だし、やっぱり梅干しは買っとく?」

仲の良い友人や親へのお土産、二人で家で楽しむためのお菓子やお酒など、たくさんの商品を二人で仲良く選び、宅配便で送ってもらうことにした。



旅館を後にした二人は、フロントに荷物を預けて、手を繋ぎ指を絡めてゆっくりと白良浜のビーチを歩いた。

「すごくキレイ…。」

青く澄んだ海に、白い砂。

関西屈指のリゾートビーチと呼ばれるだけあって、その景色はとても美しい。

「砂、すごいサラサラなんだね。」

「靴、脱いで歩いてみようかな?」

ユウは靴と靴下を脱いで、素足で砂浜を歩く。

「すごい気持ちいい。」

「ホント?」

レナもユウと同じように裸足になって砂浜を歩いた。

「楽しいね。裸足で砂の上を歩くなんて、子供の頃以来かも。」

「ホントだ。」

二人はしばらく、裸足でビーチの散歩を楽しんだ。



「そろそろ行く?」

ユウがコンクリートの上に座り、足の砂を払いながら、靴下を履く。

「そうだね。」

レナもユウと同じようにしようとすると、ユウがレナに肩を貸す。

「ほい。」

「ありがと…。」

(ユウって、ホントに優しい…。)

ユウの肩を借りながら、レナは足に付いた砂を払って靴下と靴を履いた。

「また、来ような。」

「うん。」


二人は旅館で預けていた荷物を受け取ると、タクシーで空港へ向かい、飛行機に乗って白浜を後にした。



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