新婚の定義──嘘つきな君と僕──
“当たり前”と 小さな不安
短くも楽しかった新婚旅行が終わって数日後。


ユウのバンド`ALISON´のアルバム発売日が間近に迫ると、メディアへの出演が増え、ユウはまた多忙な日々を送っていた。

レナも雑誌のグラビア撮影や旅雑誌の写真撮影など、カメラマンとして多忙な毎日を過ごす。

その合間を縫って、友人たちに新婚旅行のお土産を手渡したり、挙式やパーティーに出席してくれた人たちへのお礼状を書いたり、何かと忙しい毎日が続いた。


そんなある日。

レナは仕事を早く終わらせ、久し振りに親友の麻由に会うために、マユと夫のシンヤの住む家へと向かった。

マユは小学校4年からのレナとユウの親友で、女性向けファッション情報誌の編集長をしている。

高2の時に同じクラスになった、作家の三浦慎也と4年前に結婚し、一時は訳あって別居婚をしていたが、今は再び二人で一緒に暮らしている。

レナは新婚旅行のお土産に、地ビールと梅干し、梅そうめんを持って二人の家を訪れた。
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