新婚の定義──嘘つきな君と僕──
「でも、オマエは違う。嘘つくのはヘタだし、隠し事もできない。だったら最初から、素直に伝えればいい。レナのために、オマエの素直な気持ちを歌にしてやれ。」

「でも、それならソロでなくても…。」

「オマエが歌うから意味があるんだよ。」

「いや、でも…。」

ユウがやっぱり無理だと断ろうとすると、ヒロはじっとユウを鋭い視線で捕らえ、口元だけでニヤリと笑った。

「やるよな…?」

(こえぇよヒロさん!!笑顔で威嚇!!)

「ハ、ハイ…。喜んで…。」

「よし、そうと決まれば曲作れ。できるだけ早くな。それから、レナには秘密だ。」

「秘密ですか?」

「まぁ、これはレナへのサプライズだな。」

「はぁ…。」

「曲できたら連絡しろ。」

「ハイ…。」

ヒロの強引な笑顔の威嚇で、結局ユウは断り切れずにソロデビューに向けて動き出すことになってしまった。

(レナが断り切れずに引き受けた理由がよくわかる…。ヒロさんマジでこえぇ…。)
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