新婚の定義──嘘つきな君と僕──
先にお風呂に入ったレナは、化粧を落とし、髪と体を洗って湯舟に浸かると、浴室の操作パネルの呼び出しボタンを押した。

ユウが浴室に入り、頭や体を洗っている間、レナはユウに背を向けて湯舟に浸かり続けた。

(先に入ったの、まずかったかな…のぼせちゃいそう…。)

そしてユウも湯舟に浸かり、後ろからレナを抱きしめる。

「はぁ、癒される…。」

ユウは嬉しそうにレナを抱きしめながら、レナの細い首筋にキスをする。

「やっ…くすぐったい…。」

「くすぐったい?」

「うん…。」

「じゃあ、こっち。」

ユウはレナの頬に手を添えて、唇を塞ぐ。

「んんっ…!!」

いつもより激しいユウのキス。

(ユウ…。)

レナはユウの背中に腕を回して抱きしめる。

「レナ、かわいい…。」

ユウは大きな手をレナの華奢な体に這わせた。

「やっ…ユウ…。」

「なんかもう…我慢できそうにない…。」

「えっ?!」

「レナ…いい?」

「えっ…。」

(ちょっと待って、こんなところで?!)

うろたえるレナを強く抱き寄せ、ユウは性急にレナを求める。

「レナ…愛してる…。」

(なんか…ユウが…どんどん…激しく…エッチに…なってく…ような…。)

お湯の中でユウに激しく抱かれながら、レナはのぼせそうになる頭の中で、そんなことを考えていた。

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