新婚の定義──嘘つきな君と僕──
「今日もレナがいてくれて、幸せだなって。」

「私は毎日、ユウのそばにいるよ?」

「うん…毎日、幸せ。」

「ふふ…。私も。」

二人は額をくってけて見つめ合い、そっと唇を重ね、触れるだけの短いキスを何度も繰り返した。

「ずっと…レナと、こうしてたい…。」

ユウは切なげに呟いてレナを抱きしめる。

「ん…ずっと?」

「うん…。」

レナはユウの胸に抱かれながら、なんとなくいつもと違うユウの様子が気になった。

(もしかしてユウ、一昨日の夜のこと、ものすごく気にしてる…?)

お風呂上がりのレナが素っ気なかったことや、もうユウとはお風呂に入らないと言ったこと、ユウに“愛してる”と言わなかったこと。

ユウの様子がいつもと違うことに、思い当たる節はあっても、それをどう言えばいいのかと、レナは考える。

(“もう怒ってないから”とか?それともやっぱり“ユウ愛してる”?)

黙り込んだレナの顔を、ユウは不思議そうに覗き込んだ。

「…レナ?」

「えっ?!」

「オレとこうしてるの…嫌?」

ユウは少し不安そうにレナに尋ねた。

(あっ、いけない…。)

「嫌なわけないよ。」

レナはユウの首に腕をまわして、キスをした。

「私、きっとユウが思ってるより、ユウのこと好きだよ。」

「そうかな…。」

「えっ、どういう意味?」

「…冗談。」

ユウは少し笑って、レナの頬に優しく触れる。

「レナ、愛してる。」

「私も…愛してる…。」

二人は抱き合って、何度も何度も甘いキスを交わした。



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