新婚の定義──嘘つきな君と僕──
ユウのマネージャーの運転する迎えの車に乗って、二人はスタジオに向かった。

「おっ、新婚さん。」

「いらっしゃーい。」

二人そろってスタジオを訪れると、メンバーたちはここぞとばかりに冷やかした。

「オマエらなぁ…。」

ユウは照れ臭そうに頭をかく。

「これ、差し入れです。良かったらどうぞ。」

レナがテーブルの上にプリンの入った紙袋を置くと、みんなはわらわらと集まって来て、早速紙袋を開けた。

「うおー、プリンだ!!」

「新妻の手作りだ!!」

「食べよう、今すぐ食べよう!!」

「悔しいからユウの分はオレが食う!!」

「なんでだよ!!」

(みんな喜んでくれてるみたいだけど…なんか恥ずかしいな…。)

レナは少し離れた場所で、大騒ぎしているメンバーたちを見守った。

「いただきまーす。」

メンバーたちは、早速レナの手作りプリンを食べ始める。

「うっ、うまー!!」

「めっちゃうまい!!」

「ユウ、オレはオマエが羨ましい!!」

「あーちゃん、これすごくうまいよ!!」

「あ…ありがと…。」

(こんなに盛大に喜んでくれるとは…。)
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