もう、嫌い
猿
「アイナ、行くよー」
「んー」
進んでいたルカのもとへ走ると、その後ろを"猿"が歩いてきた。
その顔はなんだかムスッとしていて、猿が怒ったときの顔はこういうものなのか、と考えていた。
「アイナ、あの人と友達だったの?」
「ううん。顔は見たことあったんだけど、猿みたいだね」
「一応先輩なんだからねー?」
「お前らもっと小さい声で話せないの?」
「うわ」
「……」
ルカと話していると"猿"が真後ろから話しかけてきた。
そのせいでルカは「うわ」とか言うし、私はなにも言えなかった。
それから何分かして。
「意外と近かった……」
「たしかに」
「え、先輩きたことあったんだ?」
私とルカと"猿"は、仲良しになっていた。