“好き”って言いたくても。 [詩]


泣いていたあたしを、慰めてくれた。
いつもなら、笑ってくるのに。
あの時は違ったの。
覚えてないかもね。
でも、良いんだ。
しょうがないから。

また笑ってくれても構わない。
君の笑い声が聞こえると、こっちまで楽しくなる。
君の笑い方は独特なの、知ってた?
すごく、変な笑い方なんだよ。
でも、そこが君の面白いところだよね。

走り抜けて行く君を、自然と目が追ってるの。
気持ち悪いね。
あんまり女の子っぽくないあたしだから、女々しいことするとすぐからかってきたよね。
あれは、許さないよ。
でも君が話しかけて来てくれるのは、嬉しいけど。

ねぇ、女の子って複雑でしょ?

君が、好きだって言った音楽を耳にして。
君が、好きだって言った番組をチェックして。
君が、好きだって言った教科を勉強した。

これだけ好きなのに、言えない。
言うことは許されない。

< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop