噂のPC部!?~狼たちのお姫様~
「あっ!麗ちゃん、大丈夫!?ガラス当たってない!?」
その中で唯一子供っぽくて、明らかに他の人と身長が変わる男の子が話している。
辺りを見回しても、きっとその話しかけているのは私で。
......麗ちゃん?
聞き間違いだろうか。
ぼーっと考えていると、その子は近くに来て、
「あーっ!血が出てる!手当てするから、ついてきて!」
ふと、左手の甲と指を見ると、少し切れていた。
きっと、さっきのガラスの破片だろう。
思うのもつかの間、私は怪我している方とは反対の、右手を掴まれ、どこかに連れていかれる。
ちらっと後ろを向くと、女子の痛い視線が見える。
不意に頭を抑える。
頭が痛い。
目の前がクラクラしてよく見えない。
足がもつれて、倒れてしまう。
それからは、あまり覚えていない。