ホラー短編集
 チャララリチャラリ~♪

 携帯が着信を知らせる。かろうじて意識を手放さずにすんだ。

「もっ、もしもしっ!!」

 電話の相手はママ。仕事のトラブルで帰りが深夜になる事を知らされた。

「か、帰って来てっ! ママ! この家なんかいるのっ! ママッ! ……ママ?」

 電話の向こうからはガガ、という機械音。やがて……。







『マダ、タイクツ?』

 ママの声とは違う。ちいさい子供の声。

『ダレデモイイカラ、カマッテッテイッテタデショ? ダカラ……』

 構ってあげたのよ――。







 ひとりきりのお留守番。
 どんなに退屈でも時間を持て余していたとしても

 “誰でもいいから構って”


 この言葉だけは言ってはいけない――。





   オルスバン
      終


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