【短】とある死神様の霊界事情
いざ飛び降りようと決心したあたしにアイツが突然現れて言った。
「お~い 余計に俺の仕事を増やすのやめてくんない?」
明らかにめんどくさそうに現れたあたしと同じ年くらいの男。
しかも空に浮いてあたしの目の前で胡座をかいているっ!?
明らかに人間ではないアイツにあたしは間抜けにも
「あ...アンタ何者ッ!?」
震えた声で叫んだ。
「...本当にそう聞くバカっているんだな」
目を丸くしてアイツは驚いた。
が、すぐに真剣な顔になって言った。
「死んでいいことなんてなんもねぇよ」
「アンタは...あたしのこと何も知らないから......そんなこと言うんでしょ!?」
思わず男の声に叫んで言うあたし。
そんなあたしをアイツは 耳を塞いで目障りなモノを見る目でーーー
鋭い目つきで睨んだ。
しかしそれは一瞬のことですぐに気だるげな態度に戻る。
だけど、あたしはその視線を知っている。
全く同じではないけど似ている視線をよく知っている。
それはあたしがいつもクラスの人達にされる とても怖い視線だ。
ビクッと恐怖で震えたあたしを見てアイツは「...わりぃ」すまなそうに謝った。