【短】とある死神様の霊界事情
「...とにかくあたしをを殺しに来たんですよね?
早く殺すなら殺してください。」
思ってない事を平気で口に出す素直じゃないあたし。
アイツはそんなあたしを見て深〜いため息をついた。
「お前 人の話くらいしっかり聞けよ。
俺はそんなこと一言も言ってないだろ?」
「はっ???」
確かにアイツはそんなこと一言も言ってない...はずだ。
しかし...死神なんだから人の命を奪うのがアイツの仕事なんじゃないか?
そう顔に出したのだろう、あたしは。
またアイツは深〜いため息をつく。
「たかが死神がホイホイ簡単に命を奪えるかよ。
俺らは魂を回収するだけなの、人の生き死には操作できないの、分かる?ホワイ?」
憎たらしくアイツは鼻で笑った。
「...そ、それならあなたは一体何をしに......?」
ムクムクと湧き出てきたあたしの疑問にアイツはサラッと答える。
「俺は余計な仕事を増やされたくなくてお前の自殺を止めに来たんだよ。」
その言葉に迷いなどは微塵もなくて逆にあたしをぼおーっとさせた。
そうさせるのに十分な言葉だった。