【短】とある死神様の霊界事情

...ん?

そこでさっきのアイツのセリフに疑問が。

「...なんであんたはあたしの名前を知ってるのよ!」

「死神だからな。
お前のことはなーんでも知ってる」


ストーカーとかそんな風なことは頭に浮かばず あたしが口に出したのは

「それなら、あたしがいつ死ぬのかも分かるの?」

今はどうでもいいそんなこと。


「まぁな」

何でもいいことのようにアイツは頷く。


それもそうか。

アイツにとってあたしは今自殺されたら迷惑な存在。

今 死なれなければアイツはそれでいいのか。


アイツはあたしのそんな考えを知ってか ニヤリと笑うと

「いつ死ぬのか本気でお前は知りたいのか?」

意地悪げに言った。


「今じゃなければあたしはそれでいい」

あたしがそう答えたら アイツは泣きそうな...それでいて満足そうな表情になった。


「それじゃあ、またな。
...お前は当分死なねぇよ、死神リストに名前が載ってねぇからな」


アイツはそう言って最後、あたしの前から消えた。

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