自惚れ男子の取説書【完】
「取ってこい、シフト表」
「へ…いやぁまた降りてくるのに待たせちゃ悪いですし」
「ほぉ…じゃあ今からお前んち行くか?」
「はっ!!むっ、無理です無理!!」
小田さんの提案に思わずのけぞり、窓ガラスに後頭部がゴツっと当たる。
こんな車内に2人でいるのも限界なのに、家にあげるだなんて心臓がもたない。赤いんだか青いんだかよくわからないだろう私の顔は、薄暗い車内のおかげで上手く隠せていそうだ。
「んじゃ、とっとと持ってこいアホ」
王様の命令は絶対。
小田さんの言われるがまま、私は車を飛び出した。