自惚れ男子の取説書【完】
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ピリリリピリリリ
着信を知らせる音でスマートフォンをチェックする。
”あと10分で着く”
相変わらず簡素なメールに思わず顔がほころぶ。
駅前のロータリー、もたれていた背中をそっと起こすとガラスに映る自分を見直した。
髪型はきれい目にまとめ、バレッタをつけた。服はセールで新しく買ったワンピース。化粧は自分なりにまぁまぁ丁寧にしたつもり。マスカラも2回した。
うーん…まぁまぁかな。
私なりの精一杯。出来映えに思わず、よしっと頷く。