自惚れ男子の取説書【完】
半べそかいてる私に呆れた小田さんは、片手で頭を支えるようにして私の方へ身体を向けた。
「言っとくけど…自分で勝手に脱いだんだからな?皺になるからとか言って。人が適当な着替え渡したのに『そんなの申し訳ない』とか言って受け取らねぇし」
「………うっ……うそぉ…」
「誰がそんな嘘つくが、アホ。めんどくせぇから俺がむこうで仕事してようかと思えば、ベッド占領するのは申し訳ないとか寂しいとか……」
小田さんの話に顔も上げていられず布団で顔を隠す。
「俺を引っ付かんで離さなかったお前が悪い」
「ひっ……!す、すみませんでした!!」
初めての失態。それも全く記憶が無いことに、あわあわと慌ててしまう。