自惚れ男子の取説書【完】
「お前、帰り道でもはしゃいでうるさくてよ。『もう一軒行きましょう』とか騒ぎだすし。どうにか宥めてうちのマンションまで来たら、急に『眠い』とかいって座り込むんだぜ?」
はぁ…と小田さんは息を吐くと、妙に眼力のあるその眼差しと目があった。
「また外で寝るとか…お前は学習能力無いのか、あぁ?」
「ひっっ……!すみませんっ!!もうしません、絶対しません!!」
喰われる、そう思えるほどの殺気を感じてひたすら謝る。ヤバい、今日の小田さんはいつにもまして怖い。
「当ったり前だ!いつもこんな事してんのか、お前は?あぁ?」
「ま、まさかっ!こんな飲み過ぎたのも初めてです!誓って初めて!!」
「ほぉう……俺様がいたから良かったものの。他でこんな事しやがったら、マジでお前拉致られても仕方ねぇんだからな?わかってんのか!アホ!」