自惚れ男子の取説書【完】
「は……?」
今日一番のあきれ返った物言い。小田さんの視線をたどると、自分の心もとない胸元で……
「……っぎゃ「あぁうるさい!服貸してやるから待て、バカ!」」
勢いのまま叫ぶ口をもごもごと押さえられたかと思えば、めんどくさそうにガシガシと頭を掻いた。
だるそうにベッドを降りる小田さん。クローゼットから適当なTシャツとスウェットを投げてよこすと、扉の向こうへと消えた。
見られた……確実に見られた……!
今更恥ずかしさで泣きそうになりながら、荒い呼吸をどうにか整える。つくづく私ってばあり得ない。