自惚れ男子の取説書【完】

力なく椅子に腰をおろすと、ぼんやりとモニターに目をやる。

何で分かったんだろう…。

自分ではうまく誤魔化せてると思ってた。
そんなにバレバレだった?名波先生の観察力がすごいだけ?どっちにしたって…


「ダメじゃん、こんなんじゃ」

どちらにしたって、看護師として失格だ。仕事だけはちゃんとやろうと思ってたのに…自分の不甲斐なさに力が抜ける。

名波先生のこと、苦手だと思ってたけど私なんかより医療者としてできた人だ。それなのに私ってば…


「よしっ…!」

パンっと軽く両頬を叩く。自分を叱咤すると再びパソコンへと向かった。
< 183 / 362 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop