自惚れ男子の取説書【完】
それからの私は仕事に没頭した。
連日、自主的に残業。看護計画の見直しや家族用の資料作成。松山さんについても、ベッド上でできるリハビリを考えたり、週間予定を見直していった。
「琴美ぃ、あんた帰りなさいよ」
夜勤の美沙は、私がしぶとく残業しているのに良い顔をしない。
「うーん…これだけやっちゃおうかなぁって」
「またそう言って。あんたちゃんと夕飯食べたの?」
「大丈夫だって。あ、ほらナースコール鳴ってるよー」
連日残業を続ける私を、案の定美沙は心配してくれてる。でも、心配されるように自暴自棄になってる訳じゃなくって。