自惚れ男子の取説書【完】
「連絡取れないと思ったら……そういうこと?」
「…え……?」
思わぬ言葉に眉をひそめた。
そういうこと…って…
「琴美ちゃん。ここじゃなんだし、また日を改めたら?」
コンビニの店先、名波先生の一言でようやく周りの視線に気付く。店内や車内からも、何事かといくつもの視線を感じた。
「あっ……そ、そうですね。ここじゃあ」
「いい。必要ない」
きっぱりと力強く言い切った小田さんは、まっすぐ私を見据えて続けた。