自惚れ男子の取説書【完】
呆れた表情で私を見ると、バンっと軽くテーブルを叩き美沙が言い放った。
「いい?琴美、前の彼氏と別れてどんだけ経つと思ってるの?」
「えーと…3年くらい?」
「4年よ!!よ・ね・ん!!」
くわっと目を見開くと、串片手に凄んでみせた。
前の彼氏とは大学のサークルで出会って、付き合って2年が経っていた。同棲の話も出て順調だったけど、土日休みの彼と不規則勤務の私。すれ違いが続き、呆気なく終わった。
「看護師なんて所詮女社会。自分から出会い探さなきゃ行き遅れるのよ!それとも何、琴美ドクター狙って玉の輿とか考えてんの?」
「いや、それはやだけど…」
周りには職場結婚の人もかなり多い。だけど公私混同したくない私としては、ドクター相手はかなりめんどい。