自惚れ男子の取説書【完】

そっと息子さんの様子を伺うと、唖然と直立不動になっていた。

しまった…でしゃばり過ぎただろうか。でも毎日頑張っている松山さんの事を考えると、どうしても口を出さずにはいられない。

一方の松山さんを見てみれば、人の気も知らないで満足そうににんまり笑っている。

「やっぱりなぁ…俺の目に狂いはなかったな」

「へ。何が良いんです?」

「いやね、こいつ誰に似たんだか奥手過ぎてよ。辻さんくらい強気な方が合うんじゃねぇかと思ってたんだよ」

「またまたぁ。そんな事言ってもリハビリ減らしたりしませんよ」

はいはい、とかわそうとする私をよそに松山さんは淡々と続ける。
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