自惚れ男子の取説書【完】
何であんなに冷たい眼をしてたんだろう。
保護してくれた親切さとは裏腹、彼の言動・態度は私の全てを拒絶していた。まぁ…不審者とも言える私相手だったから、か?
むむー…っと1人考え込む私の肩をガシッとつかむと、細い腕からは予想出来ない強い力で前後に揺すられる。
「何なのその間!私に黙って何かあったのね!?」
「ちっ、違う違う!!誰かいないかなぁって考えてただけってば!!」
道端で熟睡してるところをイケメンに保護されたけど、とんでもない自惚れ野郎だったよー!…って、さすがに美沙に怒られるわ。
「そ?じゃあ琴美強制参加決定ね。ちゃんとおしゃれしてきなさいよ」
「うぅ…ふぁーい」
やる気のない返事に、すかさずバシっと背中に張り手が飛んだ。