自惚れ男子の取説書【完】
「ぬけぬけって、そんなに?ふふっ。琴美ちゃん、向こうもさっき入ってったから大丈夫だよ」
りっちゃんは、今回の合コンの幹事だ。
聞けばりっちゃんの同級生に頼まれての合コンらしく、事前に色々聞いた方がいいかな…と初心者な私の為に考えてくれたんだけど。予定通りにはいかなかった。
「あーもう、おしゃれしなさいって言ったのに!!」
「えぇーこれでもダメなの?いいよ別に、無理しなきゃダメならその人とは無いって事だもん」
ニットにパンツ、かろうじで足元がバレエシューズの私は部屋着に毛がはえた程度だ。
一方、日勤後のはずの美沙はキレイに髪をセットし直し、スカートから覗くヒールがすごく女性的。りっちゃんは元々清楚系の格好だから、標準装備のフレアスカートが可愛らしい。
不服そうな美沙の視線を受け流し、3人はなだれ込むよう店内へと入っていった。