自惚れ男子の取説書【完】
「石川くん達とご飯に行った日以来かな?」
「あ…うん、そうそう。美沙ったら何も教えてくれないんだもん!びっくりしたー」
「まぁいいじゃない、サプライズゲストってことで。今さら気ぃつかう仲でもないでしょ?」
すっかり機嫌の直った美沙は、満足そうに口角をあげた。私は私で、思わぬゲストにきゃっきゃとはしゃいでしまう。
「ほれほれ、律子には聞きたいこといっぱいあるんだから。早くご飯行こう」
「えっ、美沙?いっぱいって、え?え?」
「あはっ!私もりっちゃんと話すの楽しみ!」
絶好調の美沙に、何事かわからず焦るりっちゃん。楽しい時間の予感に自然と足取りも軽く、一行は女子会へとむかった。