自惚れ男子の取説書【完】

少し照れながらも嬉しそうなりっちゃんは、右手の薬指にはめた指輪をそっと撫でた。

「えっと…もうすぐ1ヶ月、かな。ほんと最近なの」

頬を赤らめるその姿につられて私まで熱を帯びる。

「うわぁーうわぁー!良かったね、りっちゃん!」

「まぁ私のおかげでしょ?石川に散々律子攻略法伝授してあげたんだから」

ふふん、と得意気に腕を組む美沙。
そういえばいつの間にか”石川”って呼び捨てになってるし…どんだけ石川くんに協力してあげたんだろう。

「えーっ、攻略法ってなに?でも美沙が色々助けてくれたからだもんね。ふふっ、ありがと」

「いえいえ」

口角をくいっとあげ、美沙は得意気に笑う。口では散々言いつつ、なんだかんだ一番喜んでるのは美沙かもしれない。

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