自惚れ男子の取説書【完】
「そう……ですね」
自分でも分かるくらい露骨に沈んだ声。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか。淡々と私の横で写真のデータをチェックする小田さん。
深い意味は無い、よね?
期待するのと言い聞かせるのとで、無意識に眉間にしわを寄せた。
「おい、この自意識過剰」
「………はっ?」
いきなり浴びせられる暴言に声も裏返る。
「勝手に落ち込むなめんどくせぇ。誰もお前のことなんか話してねぇだろ」
「うっ……ちょっとはオブラートに包んで話してくれてもよくないですか?」
「はぁ?お前誤魔化すとまた1人でうだうだすんだろ。はっきり言ったがいいんだよ」